囲碁と将棋では子どもに教えるのはどっちがおすすめ?両方教えるのは効果的?

将棋

子どもに教えるなら囲碁と将棋、どちらが良いのでしょうか?

巷で最近ブームとなっている将棋。藤井聡太六段の快進撃や羽生善治二冠の国民栄誉賞受賞など、明るいニュースが続いていますね。

テレビのバラエティー番組では「ひふみん」の愛称で親しまれている加藤一二三さんも、将棋界のレジェンドとして連日見かけない日は無いほど番組に出演されています。

そんな将棋界の盛り上がりを受けて、自分の子どもに将棋を習わせたい!と考える親御さんも増えてきています。

しかし、将棋を教えようとした時、同じように古くから日本人に親しまれている囲碁を教えることはどうか?と悩まれる方がいらっしゃるようです。

日本で伝統的に親しまれている囲碁と将棋、どちらを子どもに教えた方が良いのかについて、今回は私の経験も交えながら解説していきます。

囲碁と将棋の特徴と学べるものを比較!

囲碁と将棋を子どもに教える時、目標とするのは囲碁や将棋を通じて子どもが精神的に成長することです。

もちろん、その筋の第一人者となるくらい上達すれば文句無しに喜ばしいことですが、単純に囲碁や将棋に触れ合うだけでも人間的に成長できます。

私は将棋から覚えて、囲碁は中学生の時に始めたのですが、どちらも自身の成長につながったと実感しています。

そんな私の経験を交えながら、囲碁と将棋の特徴についてご紹介していくことにします。

囲碁の特徴と学べること

まずは囲碁の特徴についてです。

道具やルールがシンプル

囲碁は何と言っても道具がシンプルなのが特徴です。

囲碁盤に白と黒の碁石があればできる遊びで、将棋のように駒(碁石)の動きが無いため、複雑なルールがありません。

囲碁盤に書かれた線の交差点に碁石を交互に置いていくだけなので、簡単に覚えることができます。

また、最初から囲碁をしなくても、五目並べから遊ぶことで楽しく囲碁の道具と触れ合うこともできるのはメリットと言えます。

自分の陣地を育てていく

囲碁の目的は最終的に自分の碁石で囲った陣地を育て、どちらが陣地を広くしたかを競うことです。

そのため、いかにして相手の陣地を広げず、自分の陣地を広げていくかという駆け引きを楽しむことができます。

まったく碁石も置かれていない囲碁盤が、最終的には白と黒の陣地がはっきり分かれてくるのは、囲碁を楽しむ人にとっての醍醐味とも言えます。

白と黒の二色だけでも、終局時の盤面のきれいさは、将棋では見られない美しいものと表現することができますね。

全体からみた状況判断力が身に付く

囲碁は盤面全体を使った陣取りゲームと表現することができます。

つまり、囲碁盤すべてを活用しないと相手に勝つことができないゲームとも言えます。

そのため、対局中は常に盤面全体を見渡し、最終的な盤面がどうなっていくかを想像し、理想の盤面に向かって最善の手を打つことができるよう考えないといけないのです。

こういった特徴を持つゲームであるゆえ、全体を見渡し、全体的・局地的な状況をそれぞれ判断していく力が身につきやすいのが特徴です。

日常生活においても、全体を見渡して物事を考えないといけない場面は多く存在します。

そのような時に非常に役立つスキルにつながるという最大のメリットと言えます。

いきなり敗勢になることが無い

囲碁の特徴としては、将棋と異なり、一手間違えても大きく敗勢に傾くことが無いことが挙げられます。

まだゲームになれていない子どもは状況を悪くしてしまう手かどうかの判断がわからないことが多いため、いきなりゲーム終了という状況になるとやる気を失くしてしまうことも考えられます。

しかし、囲碁はプロレベルであれば1つのミスも許されない厳しいものですが、初心者にとっては少々間違った手を打っても形勢が大きく悪くなることはありません。

もちろん、悪い手を重ね続けると形勢はどんどん悪くなってしまいますが、ある程度のリカバリーはできるので、覚えたての頃でもやる気を削がれず楽しむことができます。

将棋の特徴と学べること

次は将棋の特徴と学べることについて解説していきます。

いろいろな駒の動きで多彩な対局運びができる

将棋の特徴は、ゲームで使ういろいろな駒があり、それぞれの特徴的な動きによって試合を大きく変えていくことができるというところにあります。

相手と合わせて計40枚の駒を81マスの盤面上で自由に動かし、相手の王将をとることを目指すため、1つとして同じ対局は存在しません。

また、将棋には様々な戦法があるため、お互いにどのような戦法で戦うのか、どう対応していくのかという駆け引きも楽しむことができます。

相手を攻める楽しさが味わえる

何といっても、将棋の最大の魅力は相手の王将を攻めているという体験ができるというところにあります。

もちろん、相手も黙って王将をとらせるわけにはいかないので、王将を守る駒を配置したり、逆にこちらの王将に攻めることで攻撃の手を緩めようとしていきます。

そのような状況の中で最善の手を常に考えながら、いかにして王将と取りに行くかという楽しさを味わうことができるのは、初心者だけでなく将棋を愛する人に共通する魅力であると言えます。

逆転を目指すあきらめない心が芽生える

将棋はその特性上、いきなりゲームが終わってしまう可能性もある遊びになります。

初心者のうちはあっけなく試合が終わってしまい、つまらないと思ってしまうことがあるかもしれません。実際、私も将棋を覚えたばかりの頃は負けてばかりで悔し涙を流したものです。

しかし、どのような局面でも、そこに至るまでの途中で逆転できる要素があり、その局面で手を打っていたことが最後に生かされ逆転するという可能性が必ず残されています。

また、1つの悪手が状況を大きく変え、いきなり逆転できるという可能性も秘められています。実際に相手のミスで劣勢に立っていた対局をひっくり返した経験も多くありますし、その逆も多く経験しています。

つまり、途中であきらめずに最後まで指し続けることができれば、逆転勝利をつかむことができるかもしれないゲームなのです!

「あきらめたらそこで試合終了ですよ」(by安西先生)の言葉通り、将棋を通じてあきらめない心を培うことができるのです。

囲碁と将棋を両方教えるメリット

さて、ここまで囲碁と将棋の特徴とメリットについて解説してきました。ここからは囲碁と将棋を両方教えるメリットについてお伝えしていきます。

まず、囲碁と将棋は習うことで両方とも共通したメリットがあります。そのメリットから見ていくことにしましょう。

礼儀やマナーが身に付く

囲碁や将棋は礼儀作法やマナーを身に付けることができる遊びと言われています。

どちらも対局前には「よろしくお願いします」、対局終了時には「ありがとうございました」という挨拶を必ずするようになります。

この挨拶は対戦相手への敬意を表したものであり、年齢の差や社会的立場の違いに関係なく行うものとなっています。

当然ながら、対局中も相手を罵るような発言をしてはいけませんし、自分だけが良いという考え方は通用しません。

対局後も感想戦という振り返りをお互いに話し合いながら行い、自己のスキルアップにつなげていく作業を行うことで、実力が付くことはもちろんのこと、対戦相手との良好なコミュニケーションをとることができます。

子どものうちからこのような習慣を身に付けることで、常に自分を律し、行動の振り返りが行えるという、精神的な成長を得ることができるようになります。

数手先を読む力が身に付く

囲碁や将棋はお互いに1手ずつ交互に碁石を置いたり駒を動かしたりするゲームです。ゲームの中での駆け引きはもちろんのこと、続けて2手3手と指すことができないため、指し手には慎重にならないといけません。

そのため、少しでも良い手を指していくには、次の相手の手を読むことが求められるのです。羽生善治二冠は時間さえあれば、頭の中だけで次の手を何と1000手先まで考えることができるそうです。

ここまでのレベルはそうそう辿り着けるものではないのですが、普通に囲碁や将棋を楽しめるレベルになれば3手先・5手先・7手先という感じに少しずつ先の手が見えてくるようになります。

指し手を正確に読むには相手の力量を推し量ることや、多岐にわたる指し手を予想し、その対策として自身がどのような手を打たなければならないかと頭の中だけで考えるという作業が必要となります。

文字に起こすとすごく難しそうなことをしないといけないような印象を受けますが、実際はゲームを楽しむ中で自然と身に付くことができるものであり、慣れてくると無意識のうちに相手の指し手を読みながら対局できるようになってきます。

これは実生活においても役立つ能力で、相手の気持ちを汲み取り、何をすれば良いのかがわかってくるようになります。

つまり、相手の気持ちがわかる、思いやりのある子へ成長することができるようになるのです。

負けた後も成長できる

私が一番メリットだと考えているのは、囲碁も将棋もどちらも負けた後に成長できる点であるということです。

どちらをするにしても勝負事になりますので、遊んでいる以上はどうしても負けてしまうことがあります。

そんな時、なぜ負けてしまったのか、次はどうすれば負けないのかを振り返って勉強することが成長のカギとなります。

素直に負けを認めることは最初のうちはなかなか難しいことですが、それができるようになれば実力だけでなく人間的にも成長することができるようになります。

また、負けを知るということは、負けた側の悔しい気持ちも理解できるようになるということです。

これが、相手の気持ちを思いやる優しい心を持つことにもつながります。

可能であれば両方教えるのが良い!

上記のようなメリットを踏まえ、私は可能であれば囲碁と将棋の両方とも教えるのが良いとオススメします。

共通するメリットについてはどちらにおいても成長につながりますし、それぞれの遊びが持つ特徴を両方とも手に入れることができれば申し分ありません。

囲碁の判断力と将棋の粘り強さがあれば、人間的に成長できると言えるでしょう。

どちらの遊びも覚えやすく、教わることができる場所も多いため、迷ったら両方教えるのが良いと言えます。

終わりに

今回は囲碁と将棋、どちらを子どもに教えた方が良いのかについて解説しました。

今回お伝えした内容をまとめると以下のようになります。

  • 囲碁は全体の判断力が身に付く遊びです。
  • 将棋は粘り強さやあきらめない精神力が身に尽きます。
  • 両方共通するメリットがあるため、両方の遊びを覚えるのがオススメです。

どちらの遊びも精神的に成長できるもので、今の私もこの2つの遊びに出会わなかったらきっと違う性格になっていたと思います。

もしお子さんが少しでも興味を持ったのであれば、後押しをしてあげると良いことでしょう。

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